中国国家統計局が18日発表した12年7〜9月期の国内総生産(GDP)の実質成長率(速報値)は、前年同期比7.4%と、7四半期連続で鈍化した。中国政府が雇用確保のために必要としていた8%を2四半期連続で割り込み、3月に下方修正した政府目標の7.5%にも一時的だが届かなかった。欧州債務危機による輸出の減速や国内消費の低迷が響いた。中国の成長鈍化長期化は、世界経済にも大きな影響を与えることになる。
これまで成長の原動力となってきた輸出は9月、9.9%増と単月では過去最高を記録したものの、最大の貿易相手である欧州連合(EU)向けが10.7%減となった。1〜9月の輸出の伸び率は7.4%増と今年の政府目標(10%増)を大きく下回っている。
内需も力強さを欠いている。9月の新車販売台数は1.8%減と今年1月以来、8カ月ぶりに減少。1月の落ち込みは、旧正月の連休が前年の2月から移ってきたためで、その影響を除けば、昨年11月以来の前年実績割れとなる。
中国政府は実質GDP成長率の目標を11年まで7年連続で8%に設定。実際には、9〜14%台と目標を大きく上回る成長を達成していた。12年の目標は今年3月、7・5%に引き下げられたが、成長率の実績は4〜6月期(7.6%)からさらに鈍化。リーマン・ショック後の09年以来の低水準で、12年の成長率が目標ぎりぎりまで落ち込む可能性も出てきた。
景気減速を受け、中国政府は9月、鉄道や港湾整備、高速道路など、総額1兆元(約13兆円)規模の公共事業計画を認めたと発表した。08年のリーマン・ショック後に行われた4兆元(約52兆円)の経済対策以来の大型投資で、景気を下支えする姿勢をアピールするのが狙いだが、内需の刺激効果が出るまでには時間がかかりそうだ。
◇解説…輸出低迷、景気対策遅れ
中国の景気減速が長引いている。輸出の低迷と景気対策の遅れによる内需冷え込みが要因だ。沖縄県・尖閣諸島問題に伴う経済関係の悪化も景気を下押ししかねず、経済大国・中国を取り巻く環境は厳しさを増している。
市場ではもともと「政府が積極的に景気刺激に取り組み、4〜6月期を底に成長率を回復させる」(アナリスト)との見方が多かった。だが、総額1兆元の公共投資を認可する方針の表明は9月で、効果は未知数。中国人民銀行(中央銀行)も7月に追加利下げを行って以降、金融緩和に踏み切っていない。
背景には、08年のリーマン・ショック後に行った4兆元の景気対策が不動産バブルを招いたことへの反省がある。温家宝首相は今月12〜15日に開かれた経済座談会で「経済成長は基本的に安定に向かっている」と指摘。「予算の範囲を超えて景気刺激策を講じたことはない」と、大がかりな追加景気対策への期待をけん制した。
一方、輸出が回復する兆しは見えず、大手製鉄会社が減産を始めるなど国内の生産に影響は波及。日本製品不買の動きを受けた日本車の販売不振は、自動車市場全体の足を引っ張っている。トヨタ自動車など日系メーカーが中国国内で減産を決め、反日機運が消費や生産を脅かそうとしている。11月の共産党大会で発足する新指導部は景気の下支えとバブル警戒の両立という難しいかじ取りを迫られることになる。
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