2011年4月6日水曜日

優良会社サウスウエストの機体に相次ぎひび割れ 米航空業界に衝撃

米格安航空大手サウスウエスト航空の航空機に相次いで亀裂やヒビ割れが発見され、米航空業界に衝撃が走っている。戦略的な航路選定や効率的な運行管理などで知られるサウスウエストは航空ビジネスのお手本となる優良会社なのだが、機体の安全という企業ブランドの基盤が揺らいだ格好だ。米連邦航空局(FAA)は、サウスウエスト以外にも問題のあった機体を保有する航空会社すべてに機体の再検査を実施させる方針で、航空行政のあり方そのものが問われる可能性も出てきた。

問題の発端となったのは、今月1日、米アリゾナ州フェニックスからカリフォルニア州サクラメントを航路とする米ボーイング737-300型で、飛行中に天井に大穴が空いて緊急着陸した。サウスウエストは事故を起こした同じ機種を79機保有しており、4日までにうち70機を再点検した結果、追加的に3機にヒビ割れなどの異常を発見した。このため、サウスウエストは先週末からの3日間で600以上の便をキャンセルし、2700便が遅延となったという。

航空ビジネスは最も経営が難しい業種の一つとされる。原価となる燃料の値動きは激しく、20年間もある航空機リース契約を結ぶためには大量の資金が必要で、世界経済はもちろん、テロのあおりも受けやすい。

一方、サウスウエストは着地時間を短くして機体をフルに活用する無駄の少ないオペレーションで有名で、米国のビジネス・スクールなどではトヨタ自動車と並ぶ「模範的な経営」として称賛されてきた。

だが、機体の「回転率アップ」が機体の老朽化加速に一役買った可能性もある。米FAAは機体チェックの厳格化に動き出す可能性もあり、コスト削減に励む米航空業界にとっては向かい風が続きそうだ。

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